Perplexityが「機密情報はMacの中だけ」を実現——ハイブリッドコンピュートとは?
Perplexityが2026年9月1日にMac向け「ハイブリッドコンピュート」を発表。AIの処理をクラウドとMac本体に自動で振り分け、個人情報や機密ファイルはインターネットに送らずMacの中だけで処理します。プライバシーを守りながらAIを使いたい方に最適な機能です。
「AIを使って仕事の書類を整理したい。でも、社外秘の資料をインターネット上のサービスに送るのはちょっと怖い」——そんな悩みを持つ方は多いはずです。Perplexityが2026年9月1日に発表した「ハイブリッドコンピュート」は、まさにその問題を解決するために作られた機能です。個人情報や機密ファイルはMacの中だけで処理し、外部には一切送らない。それが可能になりました。
ハイブリッドコンピュートって何?
一言で言うと「AIの仕事をMacとインターネット(クラウド)に賢く振り分ける仕組み」です。
これまでのAIサービスは、あなたが入力したテキストや資料をすべてインターネット上のサーバーに送って処理していました。便利ではあるのですが、会社の機密資料や個人の医療記録などを送るのはためらわれます。
ハイブリッドコンピュートはその問題を解決します。Perplexityがあなたの質問の内容を自動で判断し、「これは外に送っていいもの」と「これはMacの中だけで処理すべきもの」を振り分けてくれます。あなたが細かく設定する必要はありません。
何が安全になるの?——具体的なシナリオ
シナリオ1: 社内の契約書を確認したい
取引先との契約書に問題がないか確認したいとします。書類には会社名・担当者名・金額が書かれています。これまではそのままAIに送ると、すべてがインターネット上のサーバーへ転送されていました。ハイブリッドコンピュートでは、契約書の内容はMacの中だけで分析されます。インターネットには何も出ていきません。
シナリオ2: 健康診断の結果を整理したい
「この検査値は正常範囲内?」と確認したいとき、これまでは健康情報をクラウドに送る必要がありました。今後は、個人の医療情報はMacの中だけで処理できます。Web検索が必要な部分だけクラウドを使う、という使い分けが自動で行われます。
シナリオ3: Web検索をしながら資料をまとめたい
「最新のAI動向を調べながら、社内向け報告書を作りたい」という場合。Web検索の部分はクラウドで処理され、手元の社内資料はMacの中で処理されます。二つを組み合わせた仕事が、安全に行えます。
仕組みを図解(テキストで)
技術的な詳細を、できるだけわかりやすく説明します。
あなたが質問を入力する ↓ 「プライバシーゲート」が内容をチェック (Mac上で動く門番のような仕組みです) ↓ 個人情報・機密情報が含まれる?
- YES → Macの中だけで処理(インターネットに送らない)
- NO → クラウドへ送信して処理(Web検索・複雑な推論など)
↓ 結果をあなたに返す
「プライバシーゲート」は、PII(ピーアイアイ:個人を特定できる情報のこと)を自動で検出します。PII とは、氏名・住所・口座番号・電話番号など、特定の人物を識別できる情報のことです。このPIIを検出するプログラムはオープンソース(誰でも中身を確認できる形)で公開されており、信頼性が高いのが特徴です。
また、個人情報を一時的に隠した状態でクラウドに送り、返答が来た後で元の情報に戻す「マスキング」という処理も対応しています。たとえば「田中花子さん」を「〇〇さん」に変えて送り、受け取った答えの中の「〇〇さん」を再び「田中花子さん」に戻す、というイメージです。
使うために必要なもの(スペック・プラン)
Apple Silicon(アップル・シリコン)とは、2020年以降にAppleが自社開発したMacの頭脳(プロセッサ)のことです。「M1」「M2」「M3」「M4」と名付けられており、旧来のIntelプロセッサ搭載Macとは世代が異なります。
具体的な動作条件は以下のとおりです。
- OS: macOS 15以降(「Sequoia」以降のバージョン)
- プロセッサ: Apple Silicon M1チップ以降(2020年末以降のMac)
- メモリ: 24GB以上(MacBook ProやMac Studioの上位モデルが対象)
- 対応プラン: Perplexity Pro・Max・Enterpriseのみ
メモリ24GB以上という条件は少し厳しく、MacBook Airのエントリーモデル(8GB・16GB)では動作しません。「自分のMacが対応しているか」は、画面左上のリンゴマーク→「このMacについて」から確認できます。
気になる費用は?
ハイブリッドコンピュートはPerplexityの有料プランに含まれる機能です。無料プランでは使えません。
- ✓基本的なAI検索
- ✓Webからの情報収集
- ✓ハイブリッドコンピュートは非対応
- ✓ハイブリッドコンピュート対応
- ✓機密ファイルをローカルで処理
- ✓無制限の詳細検索(Deep Research)
- ✓最新モデルに対応
月額約3,000円(ProプランはUS$20)で使えます。すでにProプランに加入中であれば、アプリをアップデートするだけで追加費用なしでこの機能が使えます。MaxプランやEnterpriseプランも同様に対応しています。
まとめ
Perplexityのハイブリッドコンピュートは「AIを安心して使えない」という長年の悩みに対する、実用的な答えです。個人情報・会社の機密資料・医療記録——そういったデータをクラウドに送らずにAIで分析できるようになりました。MacがM1以降でメモリが24GB以上あれば、Proプランから試せます。
特におすすめなのは、「AIを仕事に使いたいけれど情報漏洩が心配で踏み切れなかった」という方です。また、Perplexityは今後NVIDIAとの連携で「Portable Computer」という完全にオフラインで動くAI端末も計画中です。プライバシーを重視したAIの活用が、これからますます広がっていきそうです。
詳しくは公式ブログをご覧ください。
関連記事
Perplexity Comp…・Perplexity Port…など、関連する記事もあわせてご覧ください。
Perplexity の関連記事
Perplexityの使い方入門|Google検索との違いと無料でできること
「Perplexityって何?無料で使えるの?」という人向けの入門ガイドです。Google検索との違い、無料プランでできること、月額20ドルのProとの差を、田中さんの日常の場面に沿ってわかりやすく整理しました。登録なしでも今日から試せます。
Samsung Galaxy S26に深く統合されたPerplexity—専用ウェイクワードで呼び出せるAI
PerplexityがSamsung Galaxy S26に専用ウェイクワードと物理コントロールアクセスつきで深部統合。メモ・カレンダー・カメラなどネイティブアプリとも連携し、スマホ全体をAIが補佐する体験になっている。